ドライアイの全て:原因・症状・対策・治療法


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ドライアイ」という言葉を耳にすると、目の乾燥やゴロゴロとした不快感を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。スマートフォンの普及やパソコン作業の増加により、現代人の多くが悩まされている目の不調の一つです。
単なる目の乾燥と軽く見られがちですが、放置すると視力低下や目の表面の損傷、さらには日常生活に大きな支障をきたす可能性もあります。しかし、「なぜドライアイになるの?」「どんな症状があるの?」「自分でできる対策は?」「病院ではどんな治療をするの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、ドライアイの基本的な知識から、その多様な原因と症状、自宅でできる対策、そして専門的な治療法までを網羅的に解説し、あなたの目の健康を守るための手助けとなれば幸いです。

ドライアイとは?そのメカニズムと一般的な症状

ドライアイ」とは、目の表面を覆う涙の量が不足したり、涙の質が悪くなったりすることで、目の表面(角膜や結膜)に傷がついたり、様々な不快な症状が現れる病気です。単なる目の乾燥とは異なり、目の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 1.涙の役割とドライアイのメカニズム: 私たちの目は、涙によって常に潤され、保護されています。涙には、目の表面を滑らかに保ち、酸素や栄養を供給し、ゴミや細菌を洗い流すなど、重要な役割があります。
    • 涙の構成: 涙は主に、以下の三層で構成されています。
      • 油層(一番外側): マイボーム腺から分泌され、涙の蒸発を防ぎます。
      • 水層(真ん中): 涙腺から分泌され、涙の大部分を占め、目の潤いを保ちます。
      • ムチン層(一番内側): 角膜の表面にあり、涙を目の表面に均一に広げる役割をします。
    • ドライアイの発生: ドライアイは、これらの層のいずれかのバランスが崩れることで起こります。
      • 涙液減少型: 涙の水分量が不足することで起こります。
      • 蒸発亢進型: 涙の油層が不足し、涙が蒸発しやすくなることで起こります(ドライアイの約8割がこのタイプと言われています)。
      • 混合型: 上記両方の原因が複合的に関わっているケースです。 涙の量や質が低下すると、目の表面が乾燥しやすくなり、摩擦や刺激によって傷つきやすくなります。
  • 2.ドライアイの一般的な症状: ドライアイの症状は人それぞれ異なり、日によっても変動することがあります。単なる目の乾燥だけでなく、様々な不快感を伴います。
    • 目の乾燥・ゴロゴロ感:
      • 最も代表的な症状で、目が乾いた感じがしたり、目に何か入っているような異物感やゴロゴロした不快感があります。
    • 目の疲れ・重たい感じ:
      • 目が疲れる、目が重たい、まぶたがピクピクするといった症状もよく見られます。特にパソコンやスマートフォンの使用後に悪化しやすいです。
    • 目の充血・痛み:
      • 目の表面が乾燥して傷ついたり、炎症を起こしたりすることで、目が赤くなったり、ヒリヒリとした痛みを感じたりすることがあります。
    • まぶしさ・かすみ目:
      • 涙の膜が不安定になることで、光が乱反射し、まぶしさを感じやすくなったり、視界がぼやけてかすんで見えたりすることがあります。一時的に視力が低下したように感じることもあります。
    • 涙が出る(流涙):
      • paradoxical tearing(矛盾した涙)と呼ばれ、目が乾燥することで、異物から目を守ろうと反射的に大量の涙が分泌されることがあります。これは目の乾燥が進んでいるサインでもあります。
    • その他:
      • 目やにが増える、まばたきが多くなる、コンタクトレンズが張り付くように感じる、目が開けにくい、朝起きた時に目が開きにくいといった症状もドライアイによるものです。

これらの症状に心当たりがある場合は、単なる目の疲れと放置せず、眼科を受診して適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

ドライアイの主な原因:現代人の生活習慣

ドライアイ」は、現代社会において増加傾向にあり、その背景には多様な原因が絡み合っています。特に、私たちの日常生活における習慣が深く関わっていることが多いです。

  • 1.まばたきの減少と集中:
    • デジタルデバイスの使用: スマートフォン、パソコン、タブレット、テレビゲームなどの長時間使用は、ドライアイの最も大きな原因の一つです。画面に集中することで、無意識のうちにまばたきの回数が減り、涙が目の表面に十分に行き渡らなくなります。
    • 読書や細かな作業: デジタルデバイスに限らず、集中して読書をしたり、裁縫などの細かな作業を長時間行ったりすることも、まばたきの減少に繋がり、ドライアイを引き起こすことがあります。
    • メカニズム: まばたきは涙を目の表面に広げ、新しい涙を分泌させるポンプの役割をしています。まばたきの回数が減ると、涙が蒸発しやすくなり、目の表面が乾燥してしまいます。
  • 2.空気の乾燥と環境要因:
    • エアコンや暖房: エアコンや暖房機器は、室内の空気を乾燥させます。特に冬場やオフィス環境では、湿度が低下し、涙の蒸発が促進されます。
    • : 外からの風や、扇風機、車のエアコンの風などが直接目に当たると、涙の蒸発がさらに早まります。
    • 乾燥した気候: 季節や地域によっては、空気自体が乾燥しているため、ドライアイになりやすい環境となります。
    • 喫煙: タバコの煙は目に刺激を与え、涙の質を低下させ、目の表面の炎症を悪化させることが知られています。
  • 3.コンタクトレンズの使用:
    • 涙の蒸発促進: コンタクトレンズは涙の層を分断し、レンズ表面からの涙の蒸発を促進する傾向があります。
    • 異物感: レンズ自体が異物となるため、目の表面に負担をかけ、ドライアイの症状を悪化させることがあります。
    • 酸素供給不足: 長時間装用や、不適切なレンズの使用は、角膜への酸素供給を妨げ、目の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 4.加齢:
    • 年齢とともに、涙の分泌量は自然と減少する傾向があります。特に女性は、閉経後のホルモンバランスの変化により、ドライアイを発症しやすくなると言われています。
  • 5.病気や薬の影響:
    • 全身疾患: シェーグレン症候群(自己免疫疾患)、糖尿病、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症など、特定の全身疾患がドライアイの原因となることがあります。
    • 目の病気: マイボーム腺機能不全(涙の油層が不足する原因)、眼瞼炎(まぶたの炎症)、アレルギー性結膜炎などもドライアイを併発しやすいです。
    • 薬の副作用: 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)、抗うつ薬、精神安定剤、降圧剤、利尿薬など、一部の薬剤は副作用として涙の分泌量を減少させることがあります。
  • 6.その他:
    • ストレス: 精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、涙の分泌に影響を与えることがあります。
    • 不規則な生活: 睡眠不足や栄養バランスの偏りも、目の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの原因が複合的に絡み合ってドライアイを発症・悪化させることが多いため、自分の生活習慣を見直すことが重要です。

自宅でできる!ドライアイのセルフケア対策

ドライアイ」の症状を軽減し、目の健康を保つために、自宅でできるセルフケア対策は非常に重要です。日々の生活にこれらの対策を取り入れることで、症状の改善が期待できます。

  • 1.意識的なまばたきを増やす:
    • 最も手軽な対策: パソコンやスマートフォンを使用する際、意識的にまばたきの回数を増やしましょう。1分間に20回程度が理想的です。
    • 「ゆっくりまばたき」: ギュッと閉じてゆっくり開く「ゆっくりまばたき」は、涙腺を刺激し、涙を目の表面にしっかり広げる効果があると言われています。
  • 2.加湿と目の乾燥対策:
    • 加湿器の使用: 室内の空気が乾燥しないよう、加湿器を使って適切な湿度(50〜60%)を保ちましょう。特にエアコンや暖房を使用する時期は必須です。
    • 風を避ける: エアコンや扇風機の風が直接目に当たらないように、風向きを調整しましょう。車のエアコンも同様です。
    • マスクの活用: 冬場など空気が乾燥する時期は、マスクを着用することで、呼気に含まれる水分で目の周りの湿度を保つ効果が期待できます。
  • 3.蒸しタオルなどで目を温める(温罨法):
    • マイボーム腺ケア: ドライアイの多くは、涙の油層を分泌するマイボーム腺の機能不全が原因と言われています。目を温めることで、マイボーム腺の詰まりを解消し、油の分泌を促進できます。
    • 方法: 濡らしたタオルを電子レンジで30秒〜1分程度温め(やけどに注意)、目を閉じてまぶたの上に5分〜10分程度乗せましょう。市販のホットアイマスクも便利です。
    • 頻度: 毎日、朝晩行うのが理想的です。
  • 4.目薬の活用:
    • 人工涙液: 防腐剤フリーの人工涙液は、涙を補給し、一時的に目の乾燥症状を和らげるのに有効です。ただし、頻繁な使用は、かえって目の機能を低下させる可能性もあるため、用法・用量を守りましょう。
    • 市販の目薬: 市販の目薬を選ぶ際は、防腐剤が入っていないもの、または防腐剤の種類に注意しましょう。目の充血を取る成分(血管収縮剤)が入った目薬は、一時的に充血が引きますが、長期的な使用はかえって症状を悪化させることもあるため避けましょう。
    • 注意: 症状が続く場合は、自己判断で市販薬に頼りすぎず、眼科を受診して適切な目薬を処方してもらうことが重要です。
  • 5.コンタクトレンズの使用の見直し:
    • 装用時間を短くする: ドライアイが気になる場合は、コンタクトレンズの装用時間をできるだけ短くし、眼鏡を使用する時間を増やしましょう。
    • ワンデータイプへ変更: 2週間交換や1ヶ月交換タイプより、ワンデータイプの方が清潔で、レンズに付着する汚れによる刺激も少ないため、ドライアイのリスクを軽減できる場合があります。
    • 高含水率・低含水率の選択: 含水率の高いレンズは潤いを多く含む反面、蒸発も早い特性があります。乾燥しやすい方は、低含水率のレンズが適している場合もあります。眼科医と相談して自分に合ったレンズを選びましょう。
  • 6.食生活と生活習慣の改善:
    • 栄養バランス: オメガ-3脂肪酸(DHA、EPAが多く含まれる魚油など)は、目の健康、特に涙の油層の質を高めるのに役立つと言われています。積極的に摂取しましょう。
    • 十分な睡眠: 目の疲れを癒し、体の回復を促すためにも、質の良い睡眠を確保しましょう。
    • ストレス管理: ストレスは自律神経のバランスを乱し、涙の分泌に影響を与えることがあります。リラックスする時間を作りましょう。

これらのセルフケア対策は、症状の改善に役立ちますが、症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず眼科を受診しましょう。


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眼科での診断と専門的な治療法

ドライアイ」の症状がセルフケアで改善しない場合や、症状が重い場合は、必ず眼科を受診しましょう。専門的な診断を受け、適切な治療を行うことで、症状の緩和と目の健康維持に繋がります。

  • 1.眼科での診断方法:
    • 問診: 目の症状(乾燥感、痛み、かすみなど)、症状の発生時期や頻度、悪化要因、使用している薬、既往歴などを詳しく聞き取ります。
    • 視力検査: ドライアイによって視力に一時的な影響が出ることがあるため、視力検査を行います。
    • 細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査): 目の表面(角膜、結膜、涙の層)の状態を詳細に観察し、傷の有無や涙の状態を確認します。
    • 涙液量検査(シルマーテスト):
      • 目の下まぶたに専用の細い紙(シルマー試験紙)を挟み、5分間でどれだけ涙が紙に染み込むかを測る検査です。涙の分泌量を客観的に評価できます。
    • 涙液層破壊時間(BUT)検査:
      • 目の表面にフルオレセインという黄色い色素を点眼し、まばたきをした後、涙の膜が何秒で破壊されるかを観察します。涙の安定性を評価する検査で、10秒以下だとドライアイの可能性があります。
    • 角膜・結膜染色検査:
      • 目の表面にフルオレセインやローズベンガルなどの色素を点眼し、涙液の不足や乾燥によってできた角膜や結膜の傷の有無、程度を評価します。傷の有無はドライアイの重症度を判断する上で重要です。
    • マイボーム腺機能不全の評価:
      • マイボーム腺の詰まりや、油の分泌状態を観察します。
  • 2.専門的な治療法: ドライアイの治療は、原因や症状の重症度に応じて様々な選択肢があります。
    • 点眼薬:
      • 人工涙液: 最も基本的な治療薬で、涙を補給し、目の乾燥を和らげます。
      • ヒアルロン酸点眼薬: 涙を目の表面に保持する効果が高く、保湿作用に優れています。
      • ムチン促進点眼薬(ジクアス点眼液など): 涙のムチン層の分泌を促進し、涙を目の表面に安定させる効果があります。
      • 水(涙)分泌促進点眼薬(レバミピド点眼液など): 涙の水層の分泌を促進し、目の乾燥を改善します。
      • 抗炎症点眼薬: 目の表面の炎症が強い場合に、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬が処方されることがあります。
      • 抗菌点眼薬: マイボーム腺機能不全による細菌感染がある場合に処方されます。
    • 涙点プラグ挿入術:
      • 涙の排水口である「涙点」に小さなシリコン製のプラグを挿入し、涙が鼻腔に流れ出るのをせき止めることで、目の表面に涙を留まらせる治療法です。涙の量自体は増えませんが、既存の涙を有効活用できます。
      • 症状が重度で、点眼薬だけでは効果が不十分な場合に検討されます。
    • マイボーム腺圧迫・清掃:
      • マイボーム腺機能不全が原因の場合、まぶたの縁にあるマイボーム腺の詰まりを専用の器具で圧迫して排出し、清掃する処置が行われることがあります。
    • IPL治療(眼科用):
      • IPL(光治療)は、皮膚科領域でシミ治療などに使われますが、最近では眼科でも、マイボーム腺機能不全によるドライアイの治療に用いられています。まぶたの周囲に特殊な光を照射し、マイボーム腺の詰まりを解消したり、炎症を抑えたりする効果が期待されます。
    • 点眼薬以外の内服薬:
      • 特定の全身疾患が原因の場合、その疾患の治療薬がドライアイの改善に繋がることもあります。

ドライアイの治療は、一人ひとりの目の状態や原因に合わせてカスタマイズされます。自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従い、根気強く治療を続けることが大切です。

ドライアイを予防し、目を守るための生活習慣

ドライアイ」は、日々の生活習慣が大きく影響する病気です。一度発症すると治りにくい場合もありますが、日常生活の中で意識的に目を労わる習慣を取り入れることで、予防したり、症状の悪化を防いだりすることができます。

  • 1.デジタルデバイスとの付き合い方を見直す: 現代において避けて通れないデジタルデバイスですが、使い方を工夫することで目への負担を減らせます。
    • 「20-20-20ルール」: 20分間画面を見たら、20フィート(約6メートル)先のものを20秒間見る、という休憩法を意識しましょう。遠くを見ることで目のピント調節機能を休ませます。
    • 意識的なまばたき: 集中しているとまばたきが減りがちです。タイマーを設定したり、画面にメモを貼ったりして、意識的にまばたきをする習慣をつけましょう。
    • 画面の調整: 画面の明るさを目に優しいレベルに調整し、ブルーライトカット機能やメガネを活用しましょう。
    • 姿勢: 画面を見上げるような姿勢は避け、目線がやや下向きになるように、適切な距離と高さを保ちましょう。
    • 休憩の徹底: 長時間使用する場合は、定期的に休憩を挟み、目を休ませることが重要です。
  • 2.目の乾燥を防ぐ環境作り:
    • 加湿器の活用: 乾燥する季節やエアコン使用時は、加湿器を積極的に利用し、室内の湿度を50〜60%に保ちましょう。
    • 風を避ける: エアコンや扇風機、車のエアコンの風が直接目に当たらないように、風向きを調整しましょう。
    • マスクの着用: 乾燥が強い場所や外出時には、マスクを着用することで、目の周りの湿度を保つ効果が期待できます。
  • 3.目の保湿と温めるケア:
    • 人工涙液の活用: 目の乾燥を感じたら、防腐剤フリーの人工涙液を適切に点眼し、涙を補給しましょう。
    • ホットアイマスクや蒸しタオル: 毎日、寝る前や朝に5〜10分程度、目を温める習慣をつけましょう。マイボーム腺の詰まりを解消し、油層の分泌を促します。
    • 目を休ませる: 長時間目を使う作業の合間に、目を閉じて休ませる時間を作りましょう。
  • 4.食生活と生活習慣の改善:
    • 栄養バランスの取れた食事: 目の健康に必要なビタミンA、C、E、DHA、EPA(オメガ-3脂肪酸)、亜鉛などを積極的に摂取しましょう。特に青魚や緑黄色野菜がおすすめです。
    • 十分な睡眠: 睡眠中に目の疲労が回復し、涙腺機能も整います。規則正しい生活を心がけ、質の良い睡眠を確保しましょう。
    • ストレス管理: ストレスは自律神経のバランスを乱し、涙の分泌に影響を与えることがあります。趣味や運動などでストレスを解消する工夫をしましょう。
    • 禁煙: タバコの煙は目に刺激を与え、ドライアイを悪化させる原因となります。禁煙は目の健康にとって非常に重要です。
  • 5.コンタクトレンズの適切な使用:
    • 装用時間の短縮: 可能であれば、コンタクトレンズの装用時間を短くし、眼鏡と併用しましょう。
    • 適切なレンズの選択: 眼科医と相談し、自分に合った素材や含水率、交換頻度のレンズを選びましょう。
    • 清潔を保つ: レンズケアを怠ると、汚れが付着し、ドライアイや目の炎症の原因になります。レンズケア用品の指示に従い、清潔を保ちましょう。

これらの生活習慣を意識的に取り入れることで、ドライアイの予防や症状の軽減に繋がり、目の健康を長期的に守ることができます。少しでも気になる症状があれば、放置せずに眼科を受診することが何よりも大切です。

まとめ

ドライアイ」は、涙の量不足や質の低下により目の表面が乾燥し、様々な不快な症状を引き起こす現代病です。目のゴロゴロ感、乾燥、疲れ、充血、かすみ目、さらには矛盾した涙(流涙)など、症状は多岐にわたります。その主な原因は、スマートフォンやパソコンの長時間使用によるまばたきの減少、エアコンなどによる空気の乾燥コンタクトレンズの使用、そして加齢などが挙げられます。

自宅でできるセルフケアとしては、意識的なまばたきを増やすこと、加湿器で室内の湿度を保つこと、蒸しタオルなどで目を温める(温罨法)こと、そして防腐剤フリーの人工涙液を適切に活用することなどが有効です。また、コンタクトレンズの使用時間を減らしたり、自分に合ったレンズを選んだりすることも重要です。

セルフケアで改善しない場合や症状が重い場合は、速やかに眼科を受診しましょう。眼科では、涙の量や安定性を測る検査、目の表面の傷を確認する検査などを行い、症状に応じた点眼薬(ヒアルロン酸、ムチン促進薬など)が処方されます。重度の場合は、涙点に栓をする涙点プラグ挿入術や、マイボーム腺の治療などが検討されることもあります。

ドライアイを予防し、目を守るためには、日々の生活習慣の見直しが不可欠です。**「20-20-20ルール」**などのデジタルデバイスとの付き合い方を工夫し、目の乾燥を防ぐ環境作りを心がけましょう。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理、禁煙も目の健康を支える重要な要素です。これらの対策を継続的に行うことで、ドライアイの症状を和らげ、快適な毎日を送ることができるでしょう。

 

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